
社会医療法人財団石心会 理事長/川崎幸クリニック 院長
杉山 孝博
「海燕」100号に寄せて
石心会グループ内部広報紙「海燕」が100号を迎えることになりました。石心会グループの管理者や職員が、グループの理念、運営方針、課題、現状などを共有することで、医療・福祉事業を積極的に推進することを目的として2000年2月に第1号が発刊されました。
M.ゴーリキーの散文詩「海燕の歌」の「海燕は…、暗雲と雷鳴を切り裂いて一直線に飛翔する」から、紙名が名づけられたように、変転する医療・福祉の世界で、一貫した方針を掲げて進んでいこうという決意がうかがわれます。
石心会の歩みと私の関わり
1973年6月に川崎幸病院が開設され、2000年2月には石心会グループの事業所は9か所になり、現在では31事業所に拡大しています。
個人的なことになりますが、私が川崎幸病院に常勤職員として就職してから、今年10月で満50年を迎えます。臨時当直や非常勤で外来診療を担当した期間を加えると、52年近くになります。川崎幸病院が開設されてから53年目になることを考えれば、石心会の歴史のほぼすべてにかかわったことになります。
100号記念にふさわしいかどうかかわりませんが、本欄では、ほとんどの職員が知らない石心会の歴史を取り上げたいと思います。
開院当初の挑戦と危機
開院にあたり、「医療に?を持つ人材を求む」という異色の募集広告を看護学雑誌に掲載したところ、50名の応募が殺到したのは驚きでした。当時、基準看護でない64床の病院で正看が多くを占めていた病院はありませんでした。
地域の社会問題となっていたアルコール依存症患者の入院を受け入れましたが、ナースの指示を受け入れない患者が少なくないため、ナースの不満が募り、一斉退職、病棟一部閉鎖という事態に発展し、発足2年目で経営危機に陥りました。
血液透析医療の導入と経営再建
経営を立て直すために採用したのが、当時黎明期であった血液透析医療です。病棟を改造して1975年3月に透析室を開設して昼間透析を開始しました。透析患者の社会復帰を考えて夜間透析を開始したのが同年7月でした。1980年川崎クリニック、1997年昭島腎クリニック、2000年さいわい鹿島田クリニック、2008年さやま腎クリニックを開設して、石心会の経営基盤が確立されました。
社会問題への対応と自己管理医療の実践
1970~80年代は公害問題や薬害問題が社会的に大きく取り上げられた時期でした。川崎幸病院は大腿四頭短縮症や六価クロム公害には特別病床を設置して診断と治療にあたりました。私も含めて、多くの職員が公害問題や薬害問題にかかわりました。
「治療は患者・家族と医療スタッフとの共同作業である」と考えて、血友病の自己注射治療(1977年~)、家庭透析(1978年~)、在宅酸素療法(1979年~)、CAPD(持続携行式腹膜透析、1982年~)、在宅人工呼吸療法(1986年)などの自己管理治療に取り組んできましたが、それぞれは当時未承認の治療法であるため、地域と患者にニーズに前向きに応えるという石心会の設立理念がなかったら実現できなかったと思います。
私は、医療には「高度医療」、「いつでもみてくれる医療(救命救急医療)」、「心のこもった医療」の3つの側面が重要であると思っています。石心会グループとして3つの側面の充実に取り組んできました。
地域医療・救急医療の拡充
1979年に川崎幸病院地域保健部を設置して、訪問診療、医療相談を開始しました。
1984年には202床に増床して救急救命室、ICU,CCUなどを増設して救急医療機能を各段に高め、脳神経外科や循環器科(心カテーテル)などの専門医療を充実させました。現在では、日本有数の医療グループに数えられているのはご存じの通りです。
これからの石心会グループへ
今後の石心会グループの方向としては、「断らない医療」「患者主体の医療」「地域に根ざし、地域に貢献する医療」の基本理念を踏まえつつ、必要とされることなら前向きに取り組んでいくというイノベーションマインドを持ち続けることだと思っています。
振り返ってみますと、早くから地域医療の実践を掲げたこと、制度として認められる前から高度な在宅医療の取り組んだこと、地域保健部というセクションを設置したこと、早い時期から夜間透析や夕方診療に取り組んだこと、1998年川崎幸クリニックを立ち上げ病診分離を行ったこと、2000年に全室個室の特別養護老人ホーム「オリーブ」を設立したこと、川崎幸病院の新築移転時、幸区を中心に増床のための署名活動を展開して82,735人分の署名を集めたこと、「救急車断りゼロ!」を実践して川崎市の救急医療に大きな影響を与えたことなど、さまざまなイノベーションを実践してきたように思います。
今後も石心会グループの情報共有を密にして、着実に全うしてまいりたいと思いますので、職員の皆さんの協力と理解をお願いします。
【参考】
これまで発行された《海燕》は、こちらのURLよりお読みいただけます
https://www.sekishinkai.or.jp/umitsubame/

社会医療法人財団石心会 専務理事/事務局長
医療法人社団新東京石心会 理事/事務局長
太田一也

医療法人社団東京石心会 常務理事/事務局長
社会医療法人財団石心会 財務経理部 部長
菅直人
みんなで考えたい、資金と設備投資のこと
私たちのグループでは、病院をはじめとした事業所を安定的に運営するために、資金の管理をとても大切にしています。一見、経営に関わる人だけが知っていればいい話に聞こえるかもしれませんが、実は日々の私たちの仕事や行動も、この「資金の流れ」に関わっています。
現金預金の目標と現状
まず現金預金についてですが、「月商の3か月分」、を確保しておくことを各医療法人の目標にしています(石心会は約130億円)。これがあると、急に設備を整える必要が出たり、予期せぬ支出があったりしても安心して対応できます。石心会を例に現金預金の推移を見ると、2018年度は53億円、2021年度には121億円まで増えましたが、2024年度末には91億円に減っています。コロナ禍の補助金や緊急借入で一時的に増えた時期もありましたが、近年は再び減少傾向です。この背景には、積極的な設備投資や借入金の返済があり、どちらも経常収支だけではまかなえない状況があります。
大型設備投資と現場への影響
今後も大型の設備投資が予定されています。川崎でのPACSの更新、埼玉では手術・生理検査システムの更新や電子カルテサーバの更新、横浜では新病棟の稼働に伴う設備・システムの整備、さらに川崎の検診部門ではTACシステムの総入替も控えています。こうした投資は病院のために必要ですが、現場の作業量も増えますし、限られたリソースで効率よく進めることが求められてくると思います。
皆さんに協力をお願いしたいこと
皆さんにお願いしたいことは、各事業所が取り組んでいく・いる事案について、「もっと効率よくできる方法」や「無駄を減らせる方法」を今一度考えていただければと思います。皆さんのちょっとした工夫でも全体の効率化によるコスト削減や生産性向上につながることがあると思います。
現状の課題は、「設備投資等の資金需要への対応と借入金の返済」です。しかし、どちらも経常収支だけではまかなえない経営になっています。一方で病院の業績は改善していますし、グループ全体の増益も見込んでいます。だからこそ、私たち一人ひとりが、業務の中で資源や時間の使い方を意識し、改善策を考えて実行し、病院をはじめとした事業所、グループ全体の安定運営につなげる必要があります。安定運営は職場環境の改善にもつながります。是非、本日から意識して業務にあたっていただければと思います。
法人グループからのお知らせ
1974年から2025年までの51年という長きにわたり、石心会グループを牽引してこられた石井暎禧 元石心会グループ代表が、2025年6月30日をもってご退任されました。
石井先生は、二代目理事長として1974年にご就任されて以来一貫して理念に基づき、石心会グループの医療・福祉事業の礎を築かれるとともに、事業の発展と拡大に多大なご尽力をされました。 ここに心より深く感謝申し上げます。なお、本号では、ご退任に先立ち5月24日に開催されたグループ経営会議にて、石井先生が語られた内容の一部を抜粋して掲載いたします。
石井暎禧 元石心会グループ代表
「みなさん、今日はこうして直接お話しする最後の機会になります。次年度の理事会が始まり、私も石心会の理事を打診されましたが、熟慮した上で辞退させていただくことにしました。 今日は皆さんとお会いできて本当に嬉しいです。約50年前、地域医療を始めようと決意し、仲間と共に病院を立ち上げたのが石心会の始まりでした。
当時は学生運動が盛んだった時代で、その運動に関わっていた多くの仲間たちが、ちょうど医師として一人前になった時期でした。私自身も、患者さんの立場を大切にする医療をやりたいという思いが強くありました。 そこで、自分たちの理想を実現するために、それまでいた病院を辞めて、1973年に仲間4人と共に新しい病院を立ち上げました。 同じような時期に、他の医療法人も同様の試みを始めていて、まさに同じ空気を共有していたように思います。私たちは地域医療研究会を立ち上げ、医療のあり方を真剣に考えていました。
ちょうどその頃、日本の医療全体が変わる過渡期にありました。石心会や徳洲会などの民間病院が活発になってきたのもこの頃です。 我々のグループは、徳洲会のような大きなネットワークとは異なりますが、川崎を拠点に、地に足をつけた医療の実践を模索してきました。 その中で、「こういう医療をやりたい」と思っている人たちが徐々に集まり、自然と仲間になっていきました。自立的に動けるメンバーが増えてきたこともあって、ここまで大きく成長してきました。 そのことに心から感謝しています。そして今後は、我々のグループとしてさらに多くのことをやっていかなければなりません。
一方で、今の日本は人口のピークを越え、少子高齢化が急速に進んでいます。若い人は減っていき、医療や教育の現場でも、今までとは違う課題が次々と出てくるでしょう。 世界的にも混乱が多く、今は非常に難しい時代です。だからこそ、これから皆さんが取り組む仕事は、より厳しく、より重要になると思います。 でも、どんな状況でも、『患者さんを大切にする』という基本を忘れず、これからも一緒に頑張っていきましょう。今日は本当にありがとうございました。」
アルファメディック・クリニックの院長が交代し、波多院長が2025年7月1日に就任されました。
アルファメディック・クリニック
波多 のぞみ 院長
(2025年7月1日就任)
- 専門
日本内科学会専門医
日本医師会認定産業医
消化器内視鏡専門医
日本人間ドック学会指導医 - 略歴
新潟大学医学部卒業
横浜市立大学医学部附属病院研修医
神奈川県立足柄上病院内科
総合病院秦野赤十字病院内科
横浜市立大学大学院医学研究科
博士課程修了
石心会川崎健診クリニック入職
医師の経歴などについては以下URLからもご確認いただけます。
アルファメディック・クリニック 波多のぞみ院長
https://www.alpha-medic.gr.jp/alpha_medic/doctor/index.html
医療DX
川崎幸病院では、業務効率化と働きやすい環境づくりを目的に、生成AIとRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を組み合わせ、独自開発による2つの医療DXシステムの運用を開始しました。 いずれも、看護師の業務時間短縮と業務負担軽減を実現しています。
1つ目は「退院サマリー自動生成システム」です。これまで医師・看護師・リハビリがそれぞれサマリーを作成していました。 サマリーの作成には、電子カルテの情報を整理しながら文章をまとめる必要があり、多くの時間を要していました。 新システムでは、医師・看護師・リハビリのそれぞれサマリーを集約し、翌日退院予定の患者情報をRPAが電子カルテから自動で抽出して、夜間のうちに退院サマリーを生成AIが作成します。 翌朝には完成したサマリーが閲覧可能な状態になっており、内容を確認するだけで済むようになりました。 この仕組みにより、1人あたり数十分を要していた作業時間の短縮が期待され、患者と向き合う時間を確保しやすくなっています。
2つ目は「褥瘡(じょくそう)診療計画書自動生成システム」です。入院患者の褥瘡管理においては、発生の有無にかかわらず診療計画書の作成が必要ですが、これもまた看護師にとって時間のかかる業務でした。 このシステムでは、入院3日目にRPAが電子カルテから必要な情報を自動で拾い上げ、褥瘡の有無に応じた計画書を生成AIが作成します。 褥瘡がある患者については、専用端末で簡単なテンプレートの入力と写真撮影すれば、自動で褥瘡計画書が作成されます。これにより、看護師は入力作業を省き、ケアの質を維持しながら業務の効率化を実現しています。
これら2つのシステムは、現場の声をもとに開発されたものであり、「こうあったらいい」を形にした取り組みでもあります。 川崎幸病院では今後も、医療現場に寄り添ったDXを推進し、より安全で質の高い医療提供体制を整えていく考えです。
退院サマリー作成イメージ
褥瘡診療計画書作成イメージ
さやま総合クリニックでは、2025年3月1日より、AI電話による「定期受診予約」、「予約の変更・キャンセル」を行っておりましたが、8月1日より平日の24時間受付を開始しました。
開始以来、1日約90~100件ほど、深夜帯には1日2件ほどの利用があります。
話の繋がりにくさの改善のみならず、時間を問わないこと、AIによる端的な質問によるやり取りの短縮が、患者さんへのサービス向上に繋がっていると考え、実際にこの方法でリピートくださる患者さんも増加しています。
また、スタッフには、電話の呼び出し音の軽減、音声の自動テキスト化によって効率性アップというメリットが生まれています。
直接、患者さんとお話をする医師や、定期的な通院をされている患者さんが多い理学療法士に、利用促進の宣伝協力を頂いており、さらにご利用頂ける方を増やしたいです。
そして、今後は、「新規受診」への対応を考えていきつつ、「人」との会話をご希望される方もいらっしゃいますので、AI電話、予約センターを両立しつつ、さらに利便性・効率性を高めていきたいです。
平日24時間受付開始のお知らせ
さやま総合クリニックでは、2025年9月12日より、「医療費後払いサービス(待たずにラク~だ)」を開始しました。
事前にクレジットカードをご登録頂くことで会計を待たずにご帰宅できるシステムです。
開始以来、384名(10/22現在)と当初予想していた件数よりも多くご登録頂くことができております。
現在は、1日に10~20名のご利用状況となっており、それを将来的には、1日に300名の方がご利用くださることを目指したいです
さやま総合クリニックには、1日約1,300名の患者さんが受診されます。その中で3割程度がクレジットカードでお支払い頂いておりますので、本サービスをご利用いただくチャンスは十分にあると考えています。
本サービスにより、会計の当日支払いの方とのバランスを取ることができ、ピーク時間をずらし、より効率的に会計業務を行うことが可能となりました。
そのため、『AI電話』と同じく、クリニック全体としてご利用の促進に努めたいです。
そして、未定ではありますが、次の一手としては『待合室』の番号表示のシステムを導入したいと考えています。
予約制とはいえ、診察が後ろにずれてしまうことはあり、おおよそでも待ち時間の目安や「あと何番」と分かれば、患者さんのフラストレーションが低減できると考えています。
他にも様々な技術やサービスが出てきていますので、状況や実際に合わせ、導入を検討していきたいです。
医療費後払いサービス開始のお知らせ
採用情報
<ペットと共に生活しながら働ける、安心の住環境>
川崎幸病院看護部では、7月より「ペットと暮らす看護師さん」プロジェクトをスタートしました。
ペットと暮らせる住環境の整備や、ペット関連の休暇制度の導入などを通じて、看護師が安心して働き続けられる職場づくりを進めています。
本プロジェクトでは、犬・猫・うさぎ・フェレットなどの小動物などのペットを飼う看護師を対象に、
ペット可の看護師寮の提供、ペットとの死別時の忌引き休暇、提携動物病院での診療支援、ドッグラン施設との提携などを制度化しました。
制度を利用するためのペット登録も開始し、80件以上のペットが登録されています。
<制度誕生のきっかけは「現場の声」>
導入のきっかけは約1年前。懇親会で病院長が「困っていることはありますか?」と尋ねた際、
看護師たちから「ペットを飼える寮がほしい」という声があがりました。
これまで寮ではペット飼育ができず、自費でペット可マンションを探したり、実家に預けたりする職員も多くいたことから、
病院として「職員の暮らしを支える制度」に発展しました。
当院カテーテル室勤務の石田梢さんはペット可寮への入寮第1号で、6月から愛猫との生活をスタートさせました。
ペットとの生活はとても充実しており、「ペットは家族同然の存在。癒しを与えてくれるからこそ、仕事にも前向きになれます」と話しています。
<マスコミも注目>
前例が少ない取り組みということもあり、本プロジェクトはマスコミからも注目されています。日経新聞・神奈川新聞などに取り上げられ、今後NHKの取材も予定されており、社会的反響は予想以上に大きい状況です。
<人材定着・採用にも好影響>
導入後、ペット可の寮についての問い合わせが増加しており、看護師の採用活動にも効果が見られています。
ペットとの生活を支援することが、離職防止やモチベーション維持にもつながっており、「働きやすい職場づくり」と「人材確保・定着」の両立を実現したいと考えています。
<今後に向けて>
スタッフが少しでもよい環境で働けることはもちろん、他にはない魅力を1つでも増やすことで、ここで働きたいと思ってくれる人が増えてくれるとうれしいです。
川崎幸病院は、今後も職員一人ひとりのライフスタイルや価値観を尊重し、安心して長く働ける環境を整えることで、
チーム力の向上とより良い医療の提供を通して地域に貢献できる病院を目指してまいります。
職員向けに新聞を作成しました
ペットと暮らす石田さん
イベント
2025年9月7日(日)、職員のお子さんを対象とした職場体験・見学会「キッズアカデミー」を開催いたしました。 小学1年生から高校1年生までの36名が参加し、低学年・高学年の2コースに分かれ、病院内のさまざまな部署を順番に体験。診療部、薬剤部、EMT課、CE課など、全13部署が協力し、多彩なプログラムを用意しました。
診療部では、実際の手術着を着用し、鶏肉を使った縫合を体験。初めて持つ医療器具に緊張しながらも、真剣に針を通す子どもたちの姿が印象的でした。 薬剤部では錠剤や散剤の調剤体験を行い、医療現場で求められる正確さや集中力を体感しました。 そのほかの部署でも、普段使用している医療機器に触れたり、保護者の職場を見学したりと、医療の仕事を身近に感じられる貴重な機会となりました。 昼食時にはクイズの出題を企画。子どもたちは積極的に質問したり、互いに教え合ったりして、楽しみながら学ぶ姿が見られ、和やかな雰囲気に包まれました。
アンケートでは、心臓マッサージや縫合体験、胃カメラの疑似体験が特に印象に残ったとの声が寄せられました。 保護者の方からは「家に帰ってからも話が尽きなかった」「将来の職業を考えるきっかけになった」といった感想もあり、全員が「来年も参加させたい/他の職員にも勧めたい」と回答するほど好評でした。
縫合体験に真剣な表情
薬剤部で調剤体験
フクスケと記念撮影
胃カメラ操作を体験
10月8日(水)、埼玉石心会病院 6階中央ELVホールにて、栄養課主催の「栄養フェス」が開催されました。
本イベントは、栄養剤を扱う医師および看護師を対象に、栄養補助食品や濃厚流動食の試飲・試食を通じて製品理解を深める初の試みであり、当日は多くの職員が参加しました。
実施の目的は、栄養剤の特徴や味を実際に体験してもらうことで、多職種が適切な使用方法を理解し、日々の診療やケアに活かせるようにすることです。
出展企業は、院内で実際に採用している「ニュートリー」「森永乳業クリニコ」「明治」の3社。各社からは、現在使用中の製品に加え、未採用の新製品も紹介され、参加者は味や食感の違いを比較しながら体験しました。企業担当者による説明に熱心に耳を傾ける職員の姿も多く見られ、会場は終始活気にあふれていました。
会場では、参加者に3枚のシールを配布し、「おいしい」と感じた製品に貼ってもらう投票形式を採用。味の好みを可視化することで、今後の製品選定にも活かせる仕組みとしました。昼休みの時間帯ということもあり、偶然通りかかった職員が立ち寄る場面も多く、イベントの認知拡大にもつながりました。
参加者からは、
「青りんご味はさっぱりしていて飲みやすい」
「ヨーグルトは酸味があってすっきりとした味わいで、食欲不振時にも食べやすい」
など、さまざまな感想が寄せられました。
また、企業担当者からは「固形物が摂取できない方でも栄養を補えるよう、生クリームで味の調整をしている」「高カロリー化には工夫が必要」といった開発の裏話も伺え、製品への理解がさらに深まりました。医師にも実際に試食していただき、今後の製品選定に向けた意見交換の場としても有意義な時間となりました。
試飲・試食を通して職員同士の交流も生まれ、和やかな雰囲気の中で栄養について理解を深めるひとときとなりました。
製品説明を受け試飲中
試飲後に投票する様子
試飲試食を手に取る様子
事前周知用院内ポスター
2025年8月2日(土)、狭山市入間川七夕まつり納涼花火大会に合わせて、埼玉石心会病院 院内6階の職員レストランエリアおよび屋外テラスを職員とそのご家族に開放しました。新型コロナウイルスの影響で中止が続いていたため、テラス開放は6年ぶりの再開となりました。
当日は、職員とご家族を合わせて約500名が来場。会場入口にはお菓子と飲み物の配布エリアを設け、テラスには座って花火を楽しめる席のほか、立ち見エリアも設置しました。食べ物の持ち込みも可能としていたため、近隣のお祭りを楽しんだあとに立ち寄る方の姿も見られました。テラスは6階に位置しているため、花火がよく見える環境となり、多くの方が安全で快適に鑑賞できました。
外は快晴で、ほどよい風もあり、煙が流れて花火が美しく見える絶好のコンディション。夜空に打ち上がる色とりどりの花火に歓声が上がり、写真を撮る方や笑顔で見入るご家族の姿があちこちで見られ、会場全体が華やかな雰囲気に包まれていました。「来年も参加したい」との声も多く寄せられました。
レストラン内ではお菓子や飲み物を配布
テラスから花火を見上げる姿
打ちあがった花火
事前周知用院内ポスター
2025年11月1日、智光山公園わくわく公園まつり内にて、埼玉石心会病院の救急救命士、医師、看護師が講師となり、子どもたちが「救急医療」を体験できる「さやま子どもメディカルチャレンジ」を実施しました。
「心肺蘇生法」、「骨折と出血の応急手当」、「119番通報」が体験可能なブースを用意し、当日は大勢の子どもたちで賑わいました。
参加した子どもたちからは、
・面白かった。分かっていたけど上手くできなかった。またやる。
・むすがしかったけどできた
・電話でもっとお話がしたかった
などの感想をいただきました。
また、4歳のお子さんがママと一緒に三角巾をビニール袋で作って、 「すごーい! 出来た!」と嬉しそうに親子で話す姿や、止血の強さが「こんなに強く押すの!?」ビニール袋で三角巾が出来た時は「知らなかったー」と驚きの声が多くあがりました。
本イベントを企画した当院・EMT課の熊谷救急救命士からは以下のコメントを頂きました。
地域貢献の一環として、地域の子どもたちに“楽しく応急手当を学んでもらう場”をつくりたい——
そんな思いから『さやま子どもメディカルチャレンジ』を企画しました。
今回が初開催でしたが、多くの方にご来場いただき、延べ97名の子どもたちが心肺蘇生法やファーストエイドなどを楽しみながら体験してくれました。
実際に体を動かして『人を助ける』体験を通じて、子どもたちは自然といのちの大切さや助け合う気持ちを感じ取ってくれたように思います。
このような取り組みを通じて、地域の中で救命・防災への意識が少しずつ広がっていくことを願っています。
地域の方々と直接ふれあいながら活動できたこと、そして、子どもたちの笑顔に支えられながら運営できたことは、私たちERチームにとって大きな励みであり、何よりの財産となりました。
今回の開催にあたりご協力くださったスタッフの皆さま、関係各所の皆さまに心より感謝申し上げます。
今後も、より多くの子どもたちに“楽しく学べる医療体験の場”を届けられるよう、第2回開催に向けて準備を進めてまいります。
また「智光山公園わくわく公園まつり」には、石井病院長が小谷野狭山市長。塚田西武バス社長とともにステージに登壇し、お客さんたちへと当院の取り組みなどをご紹介しました。
理念のひとつ「地域に根ざし、地域に貢献する医療」を実現する取り組みとして、今後も積極的に地域イベントへと参加するとともに、行政、企業と協力をしてまいります。
2025年11月1日、2日、智光山公園わくわく公園まつり内にて、4回目となる「さやまナビウォーク公園スタンプラリー」を開催しました。
本イベントは、智光山公園の広大な敷地内の各会場を巡り、ハイキング気分で園内の各スポットで得られるスタンプを集め、さらにアンケートに答えることで、地域の防災、防犯、健康や、 SDGsの取り組みの重要性を考えることをコンセプトにしたイベントです。
1日には、石井耕士埼玉石心会病院長が、小谷野剛狭山市長、塚田正敏西武株式会社社長とともにご挨拶に登壇し、埼玉石心会病院の救急や役割についてお話をいたしました。
イベントには2日間で、約1,500人の方が参加し、大盛況でした。
地域の方と直接交流を持てる機会を今後も大切にしてまいります。
(左)塚田正敏西武バス社長 (中央)小谷野狭山市長 (右)石井病院長
スタンプラリー参加賞引換え&アンケートブース
2025年11月23日に入曽地域交流センターで開催された、地域イベント「いりそフェスタ」に埼玉石心会病院と狭山尚寿会病院の合同で参加し、血管年齢・血圧測定や看護師による健康相談を実施しました。
会場は家族連れで賑わい、近隣開催ということもあり、当院を以前からご存じの方も多く、親しみやすい雰囲気の中でブースを運営することができました。
測定では、実年齢より20歳以上若い血管年齢の方も見られました。若い年齢層の方の特徴として、登山を趣味にされている方、週3回5kmのウォーキングを続けている方、こまめな水分補給を心がけている方など、 日頃の習慣が数値にしっかり反映されている様子がうかがえました。
参加者からは「若く出て嬉しい、友達に自慢します」や反対に、「生活習慣を見直します…」といった声が寄せられ、職員からも「運動習慣の大切さを改めて実感した」との声が上がりました。
地域の健康意識向上につながる、実りある取り組みとなりました。
イベントの様子
狭山市マスコット おりぴいと参加スタッフ
2025年10月18日(土)、川崎市幸区役所にて第43回幸区民祭が開催され、今年は川崎地域ケア病院および川崎幸クリニックにご協力いただきブースを運営しました。
川崎地域ケア病院は今回が初めての参加となり、午前中にフットチェックを実施。川崎幸クリニックの糖尿病チームは午後に健康相談・握力測定・フットチェックを担当いただきました。当日は午前中から多くの来場者にお越しいただき、一日で約200名の方に体験をいただき大変盛況となりました。
また、石心会グループとして初めての参加となった川崎地域ケア病院からは、加藤看護部長および一箭看護師がご協力いただき、地域住民への健康啓発に貢献いただくとともに、病院名称変更の周知にもつながる良い機会となりました。
午前:川崎地域ケア病院 加藤看護部長、一箭看護師によるフットチェック
午後:川崎幸クリニック 安島医師、細川看護師、沓抜看護師
2025年11月15日(土)に開催された「第1回 JERTS in Tokyo」に、川崎地域ケア病院 地域連携室の蒲池室長が登壇しました。 本セミナーは、日本ストライカー株式会社が主催し、日本病院救急救命士ネットワークが協力、一般社団法人日本救命救急士会が後援するもので、全国の病院救急救命士が立場や地域を越えて交流し、 議論するための初の試みとして実施されたものです。現地開催とオンラインを併用したハイブリッド形式で行われ、全国から153名の方が参加する盛況なセミナーとなりました。
「病院救急救命士の現状と展望2025」をテーマに各領域で活躍する救急救命士らが登壇し、蒲池室長は「地域包括ケアシステムにおける救急救命士の役割と活動」と題して講演され、日頃の業務を通じて感じている課題や、 今後必要と考える取り組みについてお話されました。
また、パネルディスカッションでは「救急救命士を取り巻く最新動向と将来像」をテーマに、各施設の取り組みや課題が共有され、制度的課題や病院救命士の将来像について活発な意見交換が行われました。 各現場の知見や悩みが率直に語られ、会場全体が「病院救命士の未来をともに形づくる」という共通意識を持って議論され、登壇者・参加者にとって学びの多い機会となったことが伺えます。
今回のセミナーは病院救急救命士の専門性向上とネットワーク形成を目的とした取り組みの第一歩であり、今後の現場の課題整理や方向性を検討するうえで有益な機会になったと、蒲池室長からも感想を頂きました。 なお、今回の第1回開催が好評であったことから、次回は東京以外の地方都市での開催が予定されており、より広い地域でのネットワーク拡大が期待されています。
【蒲池地域連携室長の登壇の様子】
【パネルディスカッションの様子】
幸区鹿島田エリアにて開催された『ジョブまるキッズ』に昨年に引き続き、さいわい鹿島田クリニックが出展しました。
同イベントは鹿島田周辺の企業や自治体、小学校などが協力して、子供の職業体験の場として毎年開催しており、地域貢献活動の一環として昨年より参加しています。
当日は、受付・放射線・検査・診察の4つのブースを用意。本物の機器を使ったリアルな体験をスタッフとのマンツーマンでじっくり学べる点が大変好評で、事後のアンケートでは充実した内容に満足度の高さが伺えました。また当日対応したスタッフに対しても、「皆さまがご自身のお仕事に誇りをもっているのも感じました。職員の方皆さんとても親切で、本当に感謝しています。」といった好意的なご意見も頂戴しました。
診察体験
放射線科体験
『スポーツの日』である10月13日に富士通スタジアム川崎にて開催された『富士通スタジアム川崎 健康長寿フェスタ2025』にみんなの健康塾が参加をいたしました。
『みんなの健康塾』ブースでは、『フクスケすごろく』を実施し、お子さんたちを中心に。すごろくを楽しみながら、止まったマスに罹れた体操や頭を使うお題に取り組んでいました。
地域の企業や団体との取り組みは、普段とは異なる地域の方との接点が生まれる機会となっており、これからも積極的に参加していきたいと考えています。
「フクスケすごろく」で遊ぶ子どもたち
受付
みんなの健康塾が参加をしております川崎おとな塾【健康デー『腸から始める健康づくり』が2025年11月15日(土)に開催を予定しております。
当日は、『運動・測定・展示』コーナーが設けられる他、『知って得するお腹のはたらき』をテーマに『大腸編』として、川崎幸病院 消化器内科 大前芳男医師、『胃編』として、川崎幸病院 外科 網木学医師が講演をいたします。
<日時>2025年11月15日(土)11:00~16:00(15:00最終受付)
<会場>川崎商工会議所2F会議室
当日のタイムテーブル等はQRをご確認ください。

「みんなの健康塾ポケット版9月号」
認定・表彰
有床クリニックとして、在宅医療を実施している「さやま地域ケアクリニック」看護部に勤務する佐東博子主任(訪問看護認定看護師)が、昨年「特定行為研修」を修了し、「在宅」と「病棟」を繋いでいます。
佐藤主任が修了をしました特定行為区分は、以下の2区分です。
・呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連
・創傷管理関連
特に「創傷管理関連」は、在宅ではニーズの高い医療行為の一つです。難治性の褥瘡の患者さんに対し、看護師が『壊死組織の除去』、『VAC療法(陰圧閉鎖療法)*』などの特定行為を医師の指示のもとに実施できます。 当クリックは病床をもっているため一人の患者さんに対して、同じ看護師が在宅でも病棟でも看て処置を行うことが可能です。 そして、在宅と病棟でシームレスな連携をとることができ、患者さんご自身だけでなく、そのご家族にも継続した看護が提供可能です。
佐東主任は、1993年に准看護師として石心会に入職し、7年前に『訪問看護認定看護師』を取得されました。
受講のきっかけは「在宅看護を行うようになり、医師が常にいるとは限らない場面が多い中でも自宅療養をされる方にタイムリーに医療を提供する必要があると痛感しました。 また、聖路加大学での認定看護師コース受講中に講師の先生より特定行為看護師が必要とされる施設は特養など医師不在の施設ですと言われたことを思い出し受講を決めました」とのことです。
『褥瘡管理』の病院と在宅の違いは、「病院では完治を目指しますが、在宅では治癒を早め、介護負担を軽減させる目的もあります。 完治せずとも、毎日の創処置の負担を軽減することで、ご本人とご家族の精神面と体力面の双方の介護負担を軽くし、生活しながら医療を受けていただきたいです」とお話されました。
そして、最後に「在宅での特定行為は病院とは環境が異なり医師不在・器具や衛生環境も限定されます。また、緊急時対応には時間がかかります。在宅での特定行為の実践は安全を最優先に考えることが重要です。 しかしながら、なるべく自宅で過ごしたい患者さんのために確実な技術を身につけ、医師や地域と連携協力し特定行為を実践していきたいです。また、後輩の育成にも尽力したいです」といただきました。
研修は、『VAC療法』の実習を埼玉石心会病院で行い、それ以外の研修・実習をさやま地域ケアクリニックにて行いました。
*難治性の傷を被覆材で密閉し、専用機器で吸引して陰圧状態を維持しながら創傷の治療を行う方法
『VAC療法』の様子1
『VAC療法』の様子2
埼玉県では、高齢者や障害者の様々な状況に応じたリハビリテーションサービスが適切に提供されるよう、支援体制の中核機関として「地域リハビリテーション・ケアサポートセンター(以下、サポートセンター)」を設置しています。 埼玉石心会病院は、サポートセンターと連携して支援を行う協力医療機関として、市町村や地域包括支援センター等からの依頼に基づき、リハビリ専門職の派遣協力を行いました。このことから、埼玉県知事より感謝状をいただきました。
感謝状
当院の救急救命士2名が、人命救助活動に対し、埼玉西部消防局より感謝状が贈呈されました。
2025年7月13日、「八幡神社水掛け祭り」の医療支援として同行していた両名は、心肺停止で倒れた男性に遭遇。発見後すぐに救命処置を開始し、救急隊に引き継ぐまでの間、適切な処置を継続しました。
その後、男性は当院に搬送されましたが、後遺症もなく社会復帰を果たされました。
男性の命を救い、社会復帰に大きく貢献した両名の功績が称えられ、今回の感謝状授与となりました。
今後も地域との連携を深め、地域医療に貢献してまいります。
感謝状の授与
埼玉西武消防局長と救急救命士の両名
2022年より石心会グループと契約し、パリオリンピック(2024年開催)に出場をした自転車競技選手の梶原悠未選手が、チリ・サンティアゴで(2025年10月22日~26日)開催された「2025年UCI世界トラック世界選手権」に日本代表として出場をしました。
3種目に出場し、結果は、以下の通りでした。
- オムニアム 7位
- エリミネーションレース 12位
- チームパシュート 5位
メダル獲得とはなりませんでしたが、「2028年のロサンゼルスオリンピックに向けて手応えを感じるレースができました」とコメントいただきました。
引き続き、梶原悠未選手の応援をよろしくお願いいたします。
石心会グループ 梶原悠未選手LINEのお知らせ
石心会グループが、川崎市に拠点を置く、B.LEAGUE所属プロバスケットボールクラブ「川崎ブレイブサンダース」に『サポートカンパニー』として協賛をいたしました。
川崎ブレイブサンダースが練習を行っている体育館は、川崎幸病院と同じく川崎市幸区にあり、石心会の事業所によっては、チームスタッフ・選手(ユース選手含め)と大変身近な関係でもあることから、2025-26シーズンに協賛を行うこととなりました。
協賛により、すでに試合の観戦チケットのプレゼントを実施しましたが、今後「海燕」にてグッズプレゼントを予定しています。
そして、10月より25-26シーズンが始まり、熱い戦いが繰り広げられておりますので、是非ご注目ください。
川崎ブレイブサンダースWeb
©KAWASAKI BRAVE THUNDERS
プレゼント企画(石心会グループ職員限定)
石心会グループ職員限定のプレゼントキャンペーンです。
《川崎ブレイブサンダース》 グッズプレゼント
A賞・B賞のいずれか1つにご応募いただけます
- A賞 川崎ブレイブサンダース レプリカユニフォーム(抽選・16名様)
※番号は選べません - B賞 川崎ブレイブサンダース マフラータオル(抽選・16名様)
※フクスケは付きません
A賞 川崎ブレイブサンダース レプリカユニフォーム(抽選・16名様)
※番号は選べません
B賞 川崎ブレイブサンダース マフラータオル(抽選・16名様)
※フクスケは付きません
最終更新日 2025年11月25日





